2011/09/30

土気色 それでもメルヘン? もしくはホラー



「だいふくもち」という絵本があって、私はその本がとても好きなんですけど。

「絵本が好きだ」というと「メルヘンチックなものが好きだ」と誤解されることがあります。


「メルヘン」て言うと こう 動物が話したり 魔女や魔法使いがでてきてお花畑でふわふわふわ、うふふふふ、あはは、といったイメージを抱く。


あの、なんていうか、食べ物で言うとマシュマロ的な。


けど、私はそういうものが好きだから 絵本が好き な訳ではないです。





「だいふくもち」。

しゃべるんですけどね。大福餅が。これも「メルヘン」でくくれるんしょうか。





「ごさく」って呼んでくる。


仕事もせんとぐうたらのごさくを。ひるまだって人のこないごさくの家に夜やってきて、

「ごさく はらが へったぞ。なんか おおせ」

ってしゃべりかけてくる。

どうも、かれこれ さんびゃくねん、すみついちょるらしい。

それで、なんも くうちょらん。 


はらが ひついて しょうがない らしい。

で、あずきを喰わせろといってくる。




どうですか? 

あずきを喰わせると、

「もっくり むっくり」うまそうにかんで(ここの描写がすごい、怖い)


「ぽこんと こんまい だいふくもちを うんだ。」






怖。ぽーんと生まれるんです、こんまい餅が。


しかもそれを うまいうまい とごさくは喰うんです。







なんかもう、あはは、うふふの世界じゃないです。

色も、淡いパステルは微塵も見られず、基本 茶色、黄土色の世界。






確かにこの世のものとは思えないという意味では「メルヘン」と呼べるのかもしれない。


しかし、かといっていわゆる「メルヘンチック」では全然ない。


逆説的に言えば、とてもこの世のもの臭いんです。




矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、
おとぎの話、違う世界の話、夢物語では終われず、すごく人間臭くて恐ろしい。




 と、私は思うんですが、そんな事抜きで おもしろい。


 
 子どもは、チーム怖がる と チーム爆笑 に分かれます。






   怖いけど、食べたくなってきました。餅。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
田島征三(作)
福音館書店/¥840




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿